こんにちは。ハトです 😃
私はゲームが好きで色々とプレイしているのですが、先日発売されたゲーム「The Last of Us2」をプレイして色々思うことがありました。
発売前から予想していましたが問題作となっており、賛否両論が出て(どちらかと言えばレビューが荒れている)色々と批評がされています。
YouTubeで色々と感想を見て本当に人によって感想が変わるゲームだなぁと思いました。
プレイした後語りたくなるゲームですよね 🤨 という事でどうぞ。
ゲーム紹介
前作「Last of us」は2013年に発売されゲームオブザイヤーを受賞し多くのプレイヤーに支持された作品です。
私もプレイしましたが、主人公ジョエルとエリーの関係を丁寧に描き2人の旅を通じて成長や心の交流が描かれる素晴らしい内容でした。
グラフィックやゲーム性も高く当時のPS3で最高峰のゲームだったと記憶しています。
【PS4】The Last of Us Remastered PlayStation Hits 【CEROレーティング「Z」】
今作「 The Last of Us2 」はその5年後の物語で復讐がテーマ、成長したエリーが主人公といった事は事前に発表されていましたが、細かい内容は分かっていませんでした。
前作が評価が高かったこともあり、事前の期待値はかなり高くなっていたと思われます。
ゲーム部分
このゲームは製作会社ノーティドッグが以前発売したアンチャーテッドやトゥームレイダーシリーズと同様の(よく似た)アクションゲームとなっています。
それらの過去作もほとんどプレイした私としては純粋にゲーム性がブラッシュアップされているのを感じて、プレイしていて楽しかったです。
プレイする主人公が変わる(または子供時代の主人公を操作する)といった事は過去のアンチャーテッドシリーズなどでやっており、それを今作のストーリーを語るうえで上手い事使っているなと感じました。
また匍匐、ジャンプ、回避といった新しいアクションが追加され、よりアクションの幅が広がっています。
重厚なストーリーや超美麗なグラフィックでグイグイ世界観に引き込まれ、突発的なイベントや探索要素により飽きさせない作りになっており非常にレベルの高いゲームだなと感じました。
ストーリー
この部分が賛否両論が激しい所ですね😅
色々と衝撃の展開が起こりますが、私の場合はおそらく製作者の意図したとおりの感情の動きを持ったのではと思います。
最初エリーに感情移入し、だんだんエリーの復讐がやりすぎなんじゃないかと感じ始めた所でアビー編に入り、アビーにもがっつり感情移入し(どちらかと言えばアビーの方に感情移入していたかも)エリーを敵として戦う場面でも特に違和感を覚えず、最後のエリーとアビーの戦いではもうやめてくれとつらい気持ちになり感情を揺さぶられていました。
最終的にアビーを殺さなくて良かったと私は思っています。殺していたらクソゲーと思っていたかもしれません。この辺は人によって違うようで前作の主人公たちにどれだけ感情移入していたかで変わってくるようです。
ジョエルの死
序盤で前作主人公のジョエルが死んでしまうことが多くの人に衝撃を与えてしまったようです。
しかも結構むごい殺され方で人によっては無駄死にのように感じるようです。前作で高い戦闘力を見せたにも関わらずあっさり殺されてしまうからというのもあるかもしれません。
しかしこの時おそらくジョエルは50代、平和な町での暮らしにも慣れそこまでの警戒感も持ってなかったのではと思います。(前作でもなんだかんだと結構死にかけていた気がします)
ジョエルが大好きなプレイヤーにとってはこの時点でかなり心を折られたことは想像に難くありませんが、私は前作のラストでジョエルちょっとやりすぎたんじゃねぇと思っていたのでそこまでの感情移入は元々ありませんでした。
ジョエルを殺したアビーを憎いと思ったプレイヤーが多いようですが、前作で多くの人を殺してきたジョエルなので、なぜアビーという女性はジョエルを殺すんだ!?とは私は思いませんでした。
むしろ因果応報という言葉が思い浮かびました。妄想ですがジョエルもいつかこんな日が来るのではと思っていたのではと思います。(だから激しく抵抗しなかったのではとさえ思います。さらに妄想するなら名前を変えず暮らしていたのもいつでも報いは受けるという覚悟があったのかも)
前作のラストの解釈
前作のラスト付近でジョエルは一緒に旅してきたエリーを助けるか、ワクチン製造のために死なせるかという選択を迫られます。
そこでジョエルはエリーを救うためにそこにいた医者や兵士などを皆殺しにするという選択をします(ファイアフライを事実上壊滅させた?)。
YouTubeの感想動画を見ていてこの選択を正しかったと感じている人が多い事に驚きました。そういう人はジョエルの死やジョエルを殺したアビーを操作することに嫌悪感を抱くようです。
ジョエルは実の娘の死とその後のパンデミックによる世界の終わりを経験して愛情や思いやりなどの人間らしい心を捨てて20年間を過ごしていました。
その後エリーとの旅を通じて、他人への愛情(エリーへの愛情)を取り戻しますが、それを持ち続ける代償として非戦闘員である医療従事者まで殺すという狂気的な行動をとってしまったと当時私は解釈しました。
描かれた世界は暴力が支配する世界で、自分の大切なものを守るためにはそれを阻むすべてのものと闘わなければならない。そこに善悪は関係ない。
今作でのジョエルの死は前作の報いで、強烈な暴力によって守った人や物(愛情)は強烈な暴力によって奪われることも当然あるという事を表していると思います。
ジョエルが取った行動は正しいとも正しくないとも言えない、簡単に判断できないようなものだったと感じていました。どうすれば良かったか分かりませんがそれまで味方だった人たちを皆殺しにするかぁとジョエルに対してそこまで感情移入はできずにいたので、私にとってジョエルの死はそこまで悲しい(?)というものではありませんでした。
喪失から始まる物語
これはLast of Usという物語に通じるテーマのように感じていて、前作ではジョエルの娘の死と世界の終わりという大きな喪失から始まり、今作はジョエルの死というエリーにとってやはり大きな喪失から始まります。
これらある意味避けられなかった出来事から主人公がどう行動して成長して立ち直っていくのかがこの物語のテーマの一つのような気がします。
喪失が物語の起点になっているので明るい話になるはずもなくシリアスで、プレイヤーを引き込む物語になります(明るい部分も所々はありますが)
前作はジョエルがエリーと1年程をかけて旅をすることによって徐々に喪失を癒していきます(その反動としてラストではジョエルはとんでもない行動をしてしまいます)
今作ではエリーがとにかく復讐心に憑りつかれ敵側のアビーと互いに傷つけあいます。その過剰な行動が今作の醍醐味(面白さ?)だったのかもしれませんが、多くの人にとって痛々しすぎたようです。
そしてそのぶつかり合いを経て赦しを学びなんとかジョエルの死を乗り越えていきます。
前作のようなジョエルとエリーの物語になるという期待
前作のファンだった人達にとっては前作と同様にエリーとジョエルがまた共に旅をするという話を期待していた人が多かったようです。
しかしそれでは良くて前作の焼き直しで前作を超えることは難しかったでしょう。
キャラクターの成長もこのゲームのテーマの一つなのでそれではエリーの成長を描くのは難しいと製作者は判断したのかもしれません。
発売前のPVではエリーとジョエルが共に行動するかのような映像が出ていたので、それで期待してしまった人が多くいたのでしょう。もしかしたら当初の予定ではそうで、ジョエルが途中で死んでエリーがそれを乗り越えるみたいな展開だったのかも?と妄想しました。
でもそれじゃなんかありきたりじゃん?と製作者が考えたのかもしれません(分かりませんが)
女性プレイヤーをターゲットにしたかった(もっと増やしたかった)のでは?という設定
以前今作が最初に発表された時、発表会を見ていた人たちの驚きの表情の動画がYouTubeに上がっていたのですが、その中には女性も多くいました。中には嬉しさ(懐かしさ?)で涙ぐむ人もいてビデオゲームというものが多くの人に支持され、老若男女問わず市民権を得ていることにとても嬉しく思いました。
ゲームが趣味の女性は今は珍しくないですが、それでもまだまだ男性ファンが多い世界です。今作はより女性から見ても鑑賞に堪えうる人間ドラマや共感できる物語にしたかったのではと思いました。
前作は疑似親娘の物語でどちらかと言えば親から見た視点で描いていましたが、今作は娘から父親を見る(語る?)物語という構図にしたかったのではと思います。それゆえ女性よりの(悪く言えばフェミニストよりの)物語になっていると思います。
今作の2人の主人公はエリーとアビーという女性です。2人のよく似た境遇でありながら違うパーソナリティを持った女性達を通して女性プレイヤーにも受け入れられるものを作りたかったのではと思いました。
ノーティドッグ副社長ネイル・ドラッグマンは著名なフェミニストメディア評論家アニータ・サーキージアンの影響を受け脚本を改善したと言っているようです。なので上記以外にもLGBTなどのセンシティブな問題にも切り込みたかったという事があるかもしれません。
物語を進めていく為の魅力的な脇役(オーウェンとトミー)
ほぼ全てのキャラクターにバックストーリーを感じさせるのがこのゲームの魅力ですが、中でもオーウェンとトミーは話を進行させていく為の役柄として、またプレイヤーにどちらが正しいのかと思わせるようなキャラクターとして描かれています。
オーウェン
オーウェンは当初敵側として描かれていますがアビー側の視点になった時は良い人っぷりが目立ちます。
アビーの幼馴染で明るくどちらかと言えば穏健な性格として描かれており、アビーの元恋人でアビーの選択に重要な影響を与えています。
アビーにジョエルの生存の可能性を知らせて今回のアビー側の復讐のきっかけをつくりますが、ジョエルを殺した後エリーとトミーまで殺さないように主張し、結果としてエリー側に復讐の機会を与え仲間や自分の死を招いてしまいます。
オーウェンに限らずアビー側の人間は利他的で良い人達としてわざと描かれているように感じました。
トミー
トミーはジャクソンの町のリーダー格でジョエルの弟、エリーにとっても親しい間柄です。
作中ではアビーと出会った際自分から名乗りジョエルの事も兄だと紹介します。アビーはジョエルの名前とその弟がジャクソンにいるらしいという情報を得ていたので、2人が探していた人物だと気づきジョエルたちを無力化、ジョエルを殺害という結果につながります。
終盤戦いで負傷していたトミーは復讐を忘れようとして平穏に暮らしていたエリーを訪れアビーの居場所を教え復讐をけしかけます(トミーはもう戦いはできない体になっていた)。
そこでエリーに断られると失望したと言って怒ったように去っていきます。当初の印象からはまるで人が変わったように見えます。
しかしトミーについては人が変わったのではなく最初から自分勝手な面があったのではと想像しました。
回想シーンではエリーに対してアドバイスなんかもする良いおじさんぽい振る舞いをしていますが、後から考えるとそう見せているだけように見えます。(ジョエルからファイアフライとのいきさつを聞いているのにその話題には決して触れない)ジョエルの死後エリーに復讐を止めに行った時もエリーに睨まれ目をそらしたり(罪悪感がある?)不安げな表情をするなど薄っぺらい印象を得ました。
ジャクソンでの立場もリーダーなはずですが、それらしい描写は少なかったように感じました。逆に奥さんのマリアの方がリーダーらしかったように見えました。喧嘩が起きた時真っ先に仲裁するのもマリア(トミーはそばにいるだけ)、ジャクソンでも「マリアに呼ばれた」「マリアに○○言われる」などマリアがリーダーではと端々に感じさせる会話。
エリーを止めなければならない立場なのに自分が真っ先に復讐しに行ってしまうのも(エリーを行かせないため、ジョエルへの復讐心などもあるでしょうが)功名を得たいのでは?ジャクソンであまり立場がないので優れた戦闘力を生かし暴れたいのでは?と邪推してしまいました。
シアトルでエリー、ジェシーらと合流した後帰ろうと促したのもディーナが妊娠していて戻らざるを得ないというのもありますが、金のネックレスなどの戦利品も取ったし(これらを見せればマリアに喜ばれるか見直されると思った?)十分暴れたから帰ろうとしているのでは?と悪く取ろうと思えばいくらでも取れるキャラクターですね。
トレーディングカードとコイン
ゲーム内には収集アイテムがあり、エリーはトレーディングカードを、アビーはコインを集めています。これは一種のメタファーになっていると思っています。
トレーディングカードにはアメコミのようなキャラが描かれ善側、悪側とそのキャラの属性が描かれています。これは人々や世界を善悪だけの二元論で判断しているエリーを表しているようです。(悪い奴は殺しても良いなど)
コインは裏表によって全く違う表情を見せます。人には2面性などの色々な面があるという事を知っているアビーを表しているように感じます。(敵だったはずのセラファイトを助けるなど)
エリーにとってジョエルはヒーローだったのでしょうか?色々な事を知るにつれ変わっていったのでしょうか?どちらにせよジョエルの存在はエリーに大きな影響を与えています。
3は作られるのか?
製作者は3を作ることに意欲的だという話が出ているようです。何となく3で完結するような気がしますが、2でさらにハードルを上げてしまったので3を作るのは大変そうです😅
2を気に入らなかった人は3が1の焼き直しでないと評価しないのでしょうね 🙃
2では大規模な町(勢力)があちこちに出現していてそれゆえに人間同士の争いが激化し始めた時期を描いています。元々いたはずの軍隊は鳴りを潜めていました。3ではまた国を再興しようとするのでしょうか?それとも感染の治療の話に戻るのでしょうか?
ともあれ色々な見方が出来て非常に深い人間模様が描かれているゲームなので期待して待ちたいと思います。(2は時間をおいて再プレイしたいと思っています🙂 )
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